教員採用試験 面接試験〜合格者はこう答えていた〜①

人物試験(教員採用試験)

面接講座のはじまり〜

さぁ、面接対策を始めましょう。

面接試験への対策の着眼点としては、立ち振る舞いのマナーや答え方などの印象から感じ取られる人物面を読んでマイナスがつかないように(むしろプラスとなるように)という面がよく言われます。

もちろん、この点が不要とは思っておりません。

他方で、それさえ踏まえれば、面接官に自分をぶつけてこいでいいとも思いません。教育公務員に相応しいかは見られていますからね。「自分の教育観にそったことだけでやりたいなら、自分の学校を開けばいい」と青二才だった私におっしゃった教頭先生の言葉は、ホンマその通り!なわけです。

ということで、やっぱり、適性感じさせる発言内容も大事です

かといって、模範解答を覚えて吐き出すだけなのは嫌われます。

良い内容を自分の中で血肉化させて腹から言ってるんだな〜とならないといけないでしょうね。

民間教育機関でなく学校教員の理由は?〜学生の答え〜

ということで、このブログにおける面接講座では、よく聞かれる質問に対して、指導した教え子たち(もちろん合格者です)が、どう答えていて、どう望ましいのかを解説していきたいと思います。ちなみに、合格した教え子が本番に聞かれたかどうかは問うていません。合格レベルにあった人間は、こう答えていたよっという話です。吹き出しの男女は別に実際とは関係有りません。

なお、自分で話してみて講評されたい(=模擬面接を受けたい)という場合は、お問い合わせからご連絡下さい。

では、早速、言ってみよーー

第一回は、「塾と学校の違いと、学校教員を志望している理由」です。小学校志望の教え子の発言をご紹介。

Q;塾のような民間教育機関と学校はどう違いますか? そして、どうして、あなたは学校教員を志望しているのですか?

はい、私は民間の教育機関は特定の教育ニーズを満たすものだと考えています。例えば、水泳が学校で習う以上にやりたくて、できれば得意になりたいといったニーズをスイミングスクールは叶えてあげる、という感じです。塾も、進学したい、学校より早いペースの内容をやりたい、といったニーズを満たしていると思います。こうした消費者のニーズに寄り添い喜ばせる役割を担っています。

対して、学校は学習者の特定ニーズだけでなく、社会からの要請を汲み取りながら、出会う子どもがより人格の完成に近づけるよう知・徳・体をバランスよく成長させる所だと理解しています。

私は、出会う子どものそうした全人的な成長に働きかける仕事をしたいので教員を志望しています。

回答の分析

いかがでしょうか?

まず、「民間教育機関の否定」がなされていない点は良いところですよね。

一応確認しときますね。

塾など民間教育機関の多く私企業であり、税を納めてくれる存在です。彼らがいなくては公教育を展開する原資はありません。教育公務員になる意味で否定はできません。また、教育というものを学校だけが独占する考えは不要です。子の教育について第一義的な責任が家庭にあると矛盾しますからね。したがって、若者言葉風に言いますと民間教育機関を「ディスる」のは駄目、となります。

例えば、「塾は点さえ取ればいい、そういうテクニックしか教えないが学校は違う」とか「競争して勝利する面などに特化しており時には人格面に悪影響を及ぼすが学校は違う」とか言っちゃ駄目です。

となれば、存在意義を認めつつ、役割の違いを述べ、自分は学校の役割を担いたいとするのが回答の良い方向性でしょう。そして、上記の合格者発言はそうなっていますよね。

次に、民間教育機関と比較する際の言葉が秀逸だと思いませんか?

比較のときによく聞くのが、「塾などと違い学校は集団教育に力を入れている」という内容です。学校行事などで確かに1+1が2でない世界を子どもたちに経験させ、学ばせる面があり、これは学校と多くの民間教育機関との違いと言われると、確かになぁと思います。

しかし、これではまだ、民間教育機関にはない学校ならではの機能をアピールしている感じ(なぜなら、個別の教育という民間教育機関と同じ土俵の部分がありつつ学校だけの特有性を出しているから)で、学校の優越性が秘かに流れていますね。それに、よく考えれば、スポーツ団などであれば集団教育的なものも身につくはずです。

これに対し、合格者発言は「特定のニーズを満たす存在」としてポジティヴな評価をしています

その上で、学校には知徳体のバランス良い全人的な成長=人格の完成を願った働きかけをする役割で、学習者のニーズと社会の願いを汲み取ってそれを行うとして単に違いがある点に言及しています。このとき、法令や答申などの文言を盛り込み、踏み外していない学校の役割についての定義を出しているので減点されようのない回答といえるでしょう

最後に、自分が学校教育の活動をしたいから教員なのだとさらっと言ってます。

これで徹底的にディスらずイケてますね。ペコパさんの、誰も傷つけないを彷彿とさせます(笑。

突っ込みへの対応〜心構え〜

ちなみに、青字は、例えばどのような教育をしたいの?と突っ込まれるかもしれません。

その点について一言。

自分の発言のどこが突っ込まれそうか予測して準備しておくことは大切です。しかし、「準備して先に言っておく」ではありません。そんなことしたら、どんどん発言が長くなってしまいますよね。

突っ込ませれば良いんです。面接官を誘い込むといいますかね。

聞いてもらって、シメシメみたいな感じで答えましょう。

出会う子どものそうした全人的な成長に働きかける仕事をしたいって、例えばどんな教育をすることですか?

はい、例えば、最近は教室内の子どもにおいて多様化が見られます。その一例が、帰国子女の子どもたちだと思います。彼らが例えば私のクラスに転校してきたときに、せっかく持っている海外文化を「外国語活動」の際に話してもらい、色々な国のことを「知る」ことに活かしたり、たとえ海外でも感謝を伝えるなど人間共通の言動があることから「徳」に至る展開を「道徳」でしたり、「学級活動」ではその国で流行っているスポーツを取り入れたミニゲームで動かしたりと、その子を集団の中に自然と受け入れ仲間意識を育ませつつ、他の子どもに対しても知徳体に良い影響を与えるなど工夫したいです。

こんな指導ビジョンは、事前に用意してないとスラスラ当日話せませんよね。

でも合格者は、こういうのできるんですよねーー。

ということで、第一回は「民間教育機関」と「学校」の違いについての問いには、誰もディスらず、学校教員がやりたいという方向性(その際、やりたい内容は考えておく)で回答するのは望ましい、という話でした。

みなさんも、自身の言葉でこの方向性の発言準備しておくことをオススメします。

合格者からは良いものが学べますね〜。

また次回をお楽しみに。ではではー

 

 

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